2002年9月 日水曜日

am 9:35

1周忌ということで、ビンラディンの馬鹿野郎の手で不運にも生命を失われたニューヨークの方々のご冥福を祈ります。

最近、日本では、イラクへの空爆のことにかこつけて、アメリカの行為は正しいのかどうか疑う(TBS)と言う「日本の」マスコミの姿をよく見かける。
たしかに、去年、フジテレビは喜んでいた。
言っていいことと悪いことがある。
ある日突然、単なる逆怨みの鬱憤はらしのために、罪の無い人々が無惨にも殺されたというのに、どうしろというのか?
あれほど腹の立つ事件はないのに。
日本のマスコミは、キリスト教の教義を持だし、「右の頬をぶたれれば、左の頬を出せ」と言っていたことさえある。
さて、もし、そうして、一体なにが残るのか?
うまいこと逃げおおせてよかったなって思わせることか?
偶然にも、アルカイダも日本のマスコミも、その目的ではぴったり当てはまる。

生きとし、生きるものは、あらゆる生命に対して責任を持つ。
「自分のみが生きる資格がある」という独善は許されない。
全ての生命は、公平に、尚且つ平等に存在する。
勝手に殺すことを禁止する。

まったく、イスラムには騙された気分だよ。
マルコムXの映画を見て、イスラムには一目置いていたのだけども。
自分からしかけて、聖戦もくそもあるまい。
そこには、一切の正当性がない。
そして、その罪から逃れるすべもない。
これが正しくなければ、一体なにか?
神が定めぬ寿命を向かえた者と同じ寿命を悪人どもが全うし、死んでからの神の裁きを待てというのか?
私は無神論者であるから、尚更納得できない理窟である。
それこそまったくの不公平であり、物事の道理が通らない。
俺は絶対に納得しないし、してやらない。
明らかに、ビンラデン「だけ」が悪い。
この問題について「喧嘩両成敗」の理窟に持ちこむことは明らかに不可能であり、持ちこもうとするものは、同じやましい心根を持つ立場に立つからであるとしか思えない。
「ある日。ヤツらが襲いかかって来た」
それが唯一の事実だ。
言いたいことはそれだけだ。
(あー、なんか、その…
アーネスト・ヘミングウエイの「老人と海」を思い出すのである。
あれは、ヘミングウエイの戦争体験を小説で表現しているわけだが…)



今週読んだ本。

中島義道「カントの人間学」
この本は、カントの人間性について語るものであるが、これについては、精神分析で本当に判明するのは、判定者、解釈者の精神と定義であるという事実を裏づけるものである。
阿部謹也「「世間」とは何か」

この本は、「世間」という語をキーワードとして展開する日本文学案内である。

ピーター・メイル「南仏プロバンスの12か月」

フランス南部の田舎での暮らしと、ちょっとしたグルメの本で、結局はフランスにかぶれていく姿が描かれる。
これが日本だと北海道ってことになる。
だから、これがカナダやオーストラリアでもいいわけである。

小泉純一郎・梶原一明「郵政省解体論」(カッパビジネス(あえてレーベルを表記))

これは、「ノストラダムス戦慄の予言」ではない。
この本の内容については、テレビだとかで散々言ってきているものとさして替りはないのだが、興味深いいくつかの点がある。

その1。
小泉は、そもそも大蔵省の族議員であり、この共著者は、「財界」の記者だった。
で、よく考えると、これまでの大蔵省の政策と同じコースなのだ。
サラリーマンに大きな負担をかけるってのも含めて。

その2

なんと、不思議なことに、この本が出た1994年当時、郵政省記者クラブには「サンケイ新聞」から来ている91歳の蕃記者がいて、牛耳っている、と、語っているという点だ。
それが、フジサンケイグループが急成長した理由で、「波取り記者」というそうである。
これで贈収賄の裏側になりゃしないかな?
つまり、今後の利権をかけて、郵政省を解体して、扱いやすい(例えば「報道2001」にでも出演させりゃいいからである(偏った報道))政治家をプッシュすりゃいいってことである。

その3

小泉が郵政大臣だった頃、郵政省内部の人事に介入して問題になっている。
あれ? である。
で、これが田中真紀子がやると、大問題となったわけで、そういえば、小泉は「人事に介入するのはいかんね」とか言ってなかったっけ? 記憶違いかな?

その4
そんで、電電公社がNTTになるときに、金丸信がらみでそれは行なわれて、その時に大儲けというくだりがある。
「民間で出来ることは、民間で」か。

その5
それから、本来、小泉はマスコミにとっての強敵になるはずのものだったようである。
だが、同時に、アナログのハイビジョンってことでは、NHKとも対立していたようである。
ふむ、ふむ。
だから、息子をタレントにするなどしていたわけである。
だから、骨抜きにして、自分等に取って都合のいいようにコントロールしているのは、同じ自民党というよりも、マスコミであるように思えるのだ。
この辺はもう少しじっくり検討してみるべきだが。
はたして、なんだろうか?
キーワードは「マスコミ」(この本から、それが伺える)と、それから、「大蔵省的思考、および、その目的」。
そう、そう、田中角栄のマスコミを用いての手法も、なんの因果か、そこにとりあげられているのも興味深い。

出口保夫「英国紅茶の話」

本当に、紅茶の話である。
これによって学ぶことは、これだけのことでも一冊の本に膨らませることが出来るのだということである。
若干内容が重複するのだが、まあ、よい。
中心となるのは、歴史である。
すぐに読めるので、なかなかいい本かもしれない。

立花隆「宇宙からの帰還」

宗教の話である。
だから… アラニス・モリセットがインドに行って人生に目覚めるような話が集まっている。

保坂正康「昭和史がわかる55のポイント」

この本だけではどうとも言えない。
いくつかの歴史解釈の本を読んだ上で評価すべきだからである。



なし




なし




一周忌なのに、あたかも戦線布告のようなトーンのニュースとともに里帰りの旅の小泉。
これは、靖国参拝ができなかったってことがあるわけで、その代わりに北朝鮮を訪問して、強さのひとつでも見せようというハラなのだが、、そんなときに、満州事変のように船の事件があったり、反米意識の強い報道があったり。
そんで、小泉には追悼の意思がないようである。
なぜなら、この時期に、アメリカに出掛けて追悼演説もしないで、なにしているのかというと、アメリカ・イギリスに対してイラク攻撃に言いがかりをつけて、まるで対抗意識でも表明するかのように、「貴様等がそうなら、こっちは北朝鮮に言いがかりをつけて宣戦布告だ。なんか文句あるか? やってることは同じだろ?」的なことをやる。
そう、これは明らかな対抗意識だ。
だもんで、日本のマスコミもそのつもりの報道を行なっている。
そして、「どうだ、アメリカ、なんにも言えまい」と言わんばかりに、わざとらしいタイミングで北朝鮮の工作船の話が出てくる。(ちなみに、「スクリュー二つ」ってのは、このwebサイトでの「密漁船じゃないの?」の発言を受けたものであり、「会話性」の成立を意味する。(これがfactorである))
なんせ、イラクへの攻撃のような展開だからだ。
そして、反米意識を育てようとする目的のニュース報道。
「アメリカは知っていた」
とか。
まるで、真珠湾である。
大事なことはなにか?
それは、竹やりと大和魄でB29を落すことではない。
聞こえの言いセリフで失われようとする日本の自由と権利と未来だ。
とうとう、小泉と日本のマスコミは、その正体を見せ始めた、と言えるだろう。
ところで、大日本帝国には、アドルフ・ヒトラーのようなリーダーはいなかった。
東篠英機が総理大臣だったのはほんのひとときで、戦争中は、その状況に応じて、総理大臣を「大政翼賛会」のような組織が選び出していただけである。
だから、戦前は、尚更のこと共産主義的だったわけだ。
それに極めて似た状況なのである。
日本のマスコミというものと、それに合わせて動く政治家の姿は。
日本の自由と平和と権利の危機である。
それから、話は飛ぶが、日本共産党は、そもそもソビエトとのからみのクセで、アメリカが嫌いである。
だから、当時、反核運動において、「アメリカの核は汚いが、ソビエトのならいい」というアホなコメントまで出ている。
Fuck.
それはいいとして、ぜひとも、今回の北朝鮮ツアーに、アメリカ、イギリスが介入して欲しいところである。
で、小泉に手柄を取らせないで欲しいものである。
日本の未来のために。