2001年 9月 1日 土曜日 天候:知らない
午後20:33

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 で、イデオロギーの話。これはvol.6でも扱っている。
 
 しかし、なんだかよくわからないのである。
 なんだか戦略の話をしている者をとあるところで見かけたのだ。まあ、潜水艦の「漫画」の影響でも受けたのであろう。
 
 「イデオロギーは、時の権力者の都合によって、教え込まれる」
 これは一般則である。
 
 日本的な思想背景にある「儒教思想」というのは、知っての通り、聖徳太子が中国から仕入れたものだ。
 その特徴は、いわゆる「タテ社会」構造の盲目的なる肯定である。根拠についての説明は一切無い。ただ、「君子というものはこうするものである」という行動だけが示唆される。
 ここで私はカフカ「流刑地にて」を思い出すのである。
 流刑地で指揮官を務める男が死刑方法とその思想について(意味不明な理屈なのだが)熱く語っていると、囚人がなにもわからずに、その手伝いをしているわけだ。その手伝いをしている囚人が全自動の処刑装置にかけられるわけである。
 囚人はうつぶせになって、機械に横たわり、口にマウスピースをつけると、背中に針で罪状を刻んでいく事になっている。囚人はもちろん、下を向いているからして、背中の文字なんか読めるわけがないのだ。
 囚人はその機械のセッティングをなんだかよくわからないのに、手伝うわけである。
 そして、囚人がその機械にかけられる時が来る。
 囚人はそのマウスピースを吐き出してしまうのだ。
 そこで、なんだっけかな・・・
 
 この理想的な処刑装置を廃止しないように、主人公に説明するのだ。だが、もちろん、こんな意味不明で残酷な頭の狂ったシステムは受け入れられないと主人公が言うと、その処刑装置とシステムがいかに理想的であるのかを証明するために、処刑人は自ら機械にかかる・・・ というような話である。
 
 話は「イデオロギーについて」である。
 
Interlude
 
 
 
 
 
 
「えりょー」にも登場するのだが、戦場に出向くのは政治家ではないのだ。
 イデオロギーの一番困るのがそこの点だ。
 熱く理想を語らせるが、自分は権力的な位置に着くわけではないのだ。
 だから、単に催眠行為なのである。
 
 目的は権力機構の維持と持続と集約にある。
 だから、自らの利点についての説明がない。
 
 民主、共和制政治ではない政治姿勢という者は、その頂点に立つ者にとっては、実に理想的な条件である。
 すべてを、国民の言うことなどを聞かずにコントロールする事が出来るからだ。
 だもんで、マスゲームを好む。ナチス然り、共産主義然り。
 なんだかわからないが、学校でも「整列!」をやるわけだ。
「こら! そこ曲がってるぞ!」と。
 で、一緒になって曲がって並んでいることがとてつもなくロクでもないことであると考えている生徒が果たしているのか?
 そいつを忘れてしまっているわけだ。
 
 これが教師の側に経つならば、実に理想的で機能的で統制の取れた軍隊の姿を見るだろう。教師の好みにもよるが。まあ、現在の教師はそういった姿勢に疑問を感じている者が多いが、「教育勅語を復活させろ!」と言っているような自民党や民主党や自由党や保守党の政治家なんかは、そういう姿を喜ぶだろう。
 
Interlude
 
 
 
 
 
 
 
 自分がコントロールする、もしくは支配する側であるかのように思う錯覚・・・か。
 イデオロギーを説いて回る連中から先にシェルターに入るのだ。
 利用するために、理想を説いて回り、君らはそれに気付かずに利用され、そして、利用されることを喜ぶ。
 もっと喜ぶのは、利用できる者を利用した、最後まで無傷でいる奴だ。
 
 それについては、封建主義、ナチズム、共産主義、どれをとっても同様である。
 
 なんのために、フランス革命やフランスの啓蒙思想があったのか?
 その辺のトリックには常に気をつけていなくてはならないのである。
 
 「イデオロギー」
 それは催眠の一つだ。
 
Interlude
 
 
 
 
 
 
 他の国の人間を特別嫌う理由はないのだが、そうするように教え込まれるわけだ。
 誰の都合かな?
 とにかく、こちらの都合でないことは確かだ。なんせ他の国の人間のことは知らないわけでね。知ることの出来る人間は、大体は自分らと同じようにのんきでいい奴だったりする。
 
 誰の都合だ?
 もっと欲しいと思っている奴か? それとも、散々しでかしてきたことがバレると困るので、話をすり替えるための都合か?
 
 いずれにしろ、根拠がないのだ。
 問題は、いかに錯覚させるかにあるわけだ。
 
「ヘイ! いいか? お前はこの世でとてつもなくタフな奴だ。お前は無敵だ。誰よりも強い。鉄砲の弾だって跳ね返す。そうだ。そうだろ? 主人公は必ず鉄砲の弾には当たらないもんだ。お前は強い。お前は無敵だ。その戦略プランは完璧だ。そう、潜水艦の漫画がそうだって言っている。お前は無敵だ! 誰よりも強い! だから、時速300qで突っ込んでくる列車をその手で止めるんだ!」
 
 がんばれ若人。健闘を祈る。
 俺はどっかでビールを飲みながら、片手にオッパイ持っている方がいいね。
 
 以上

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