みそパン千鶴子
2017年8月12日木曜日
「いらっしゃいませ」
「あのー、すいません」
「いきなり謝るって、屁でもしたんですか? お気になさらないでください」
「そうじゃないんです」
「じゃあ、身が出た?」
「そうじゃないんです」
「じゃあ、どうしたんです?」
「私の足のサイズに合う靴を探しているんです」
「ウチは靴屋ですよ?」
「だから、来たんです!」
「いや、お客様がいきなり謝るものですから」
「すいません」
「それで、どういう靴をお探しですか?」
「あの・・・」
「なんです?」
「キンタマをハイヒールで踏まれるのが好きなんです」
「変態ですね?」
「はい」
「女王様とお呼び」
「いえ、私はお客さん」
「そうでした。つい昔の仕事の癖が」
「なんの仕事なんですか!」
「でも、あなたマゾですよね?」
「ううっ・・・」
「アタシに靴を探して欲しいのかい?」
「そうです」
「返事が小さい!」
「はい! そうです!」
「語尾は? 聞こえなかったけど?」
「握ってください!」
「は?」
「いいえ、なんでもありません」
「よろしい」
「それで、靴は?」
「自分のサイズに合うハイヒールでどうやってキンタマ踏むつもりなんだい?」
「そこまでは・・・」
「バカだろ、お前」
「はい」
「はい? それだけじゃないだろ」
「9条を守ります!」
「よろしい」