丁度角に当たってるの

2013年7月17日水曜日

「大家族で育ったせいか、所帯じみた家が大嫌いでさあ、だから、インテリアには凝っているんだよ」
「ほんとだ、所帯じみた感じがまるでなくて、ほとんど空っぽじゃないか」
「おじいちゃんだろ、おばあちゃんだろ、それからおやじと母ちゃんと、それから俺だったから」
「一人っ子じゃないか!」
「だから、なんつうの? ウジャウジャした部屋が嫌いだから、なんつうの? 空間を愛するって言うの?」
「テレビ一台しかないでしょ」
「そうだよ?」
「冷蔵庫もないねえ」
「ほら、いつも外で食べるし、料理作らないし」
「ゴミは?」
「ベランダから捨ててる」
「お前、悪い奴だなあ・・・」
「そう?」
「ベッドも置いてないねえ」
「布団派なんだよ。押入れに入れてあるんだ」
「へえ・・・」
「そうだ、ソファーも押入れに入っているから出すから座れよ」
「ああ」
「ちょっと待って、空気入れるから」
「って! それ、明らかにダッチワイフ」
「兼用だ」
「ひー!」
「角度によってはこの前の体液がもれるかもしれないから気をつけろよな」
「ギャアアアアア!」