丁度角に当たってるの
2013年7月09日火曜日
「ガソリン満タンね」
「すいません、ここセルフ式です」
「そうなの?」
「はい」
「で、どうやってやるの? これ」
「まず、画面をタッチして、アナウンスの通りに操作してください」
「画面にタッチね・・・ タァーッチ!」
「別に言わなくても大丈夫ですよ」
「あれ? これ、まいっちんぐ って言わないよ?」
「普通言いません」
「だよね? だよね? だよね? やっぱそうだよね。まいっちんぐマチコ先生知るわけもんね」
「知ってるかどうかじゃなくて、そもそもそういう機能はついてません」
「あ・・・ 画面変わってるよ」
「そうですねえ」
「変わってるなら画面変わったよって一言くらい入れてくれりゃいいのに、この機械」
「そうですか」
「えーと、なになに? お金を入れてくださいって?」
「そこにお金を入れてください」
「入らないよ?」
「そこ、レシート出るところです」
「やっぱり、入らないよ?」
「そこ、ノズルです」
「だよね? だよね? だよね? ちょっとボケてみました」
「そこの、ランプついているところにお願いします」
「わかってるよ、わかってるって。わかってるの! ちょっと軽い冗談なんだから。ここでしょ?」
「そうです」
「あれ? 入らないよ?」
「しわ伸ばしてください」
「びろーん」
「キンタマのしわじゃなく、お札」
「あ? こっちなの?」
「袋は入金できません」
「キンはキンなのにねえ」
「そうですねえ」
「でも、やっぱり戻ってくるよ?」
「おかしいですね。ちょっと貸してください」
「タダじゃ貸さないよ。利子取るけど、いい?」
「その借りるんじゃなしに、機械に入れるために、です」
「あ、そういう事ね」
「って! これ子供銀行券じゃないですか」
「あら? 気がついた? やっぱり、ダメ?」
「お客さん、困りますよ。そうやってふざけられると」
「だよね? だよね? だよね? ここカード使える?」
「はい。そこのカード挿入口から入れてください」
「昔なつかしのテレフォンカード余ってるんだよ」
「使えません」
「ナナコカード」
「使えません」
「ツタヤカード」
「使えます」
「ボケ切れなかったでしょ! これ! どうしてくれるの? ボケたかったのに。ナナコカード差別だ!」
「そんな事知りませんよ」
「じゃあ、ツタヤカードね」
「はい」
「ポイントは使う・・・ と」
「はい」
「あれ? 足りないよ?」
「他のカードとか、現金を入れてください。クレジットカードも使えますよ」
「それ早く言ってくれなきゃ」
「言ってますって!」
「じゃあ、千円札ね」
「先に千円札入れてくださいよ」
「で、次は・・・ えーと、レギュラーで、満タン、と」
「そこにある丸いところが静電気除去パッドですんで、そこを触ってからノズルを・・・」
「あ、これね。やん、やん、感じちゃう」
「パッド相手に小ネタやらないでください」
「わかってますよ! やりゃいいんでしょ? やりゃ」
「まあ、まあ。では、キャップを外してですねえ・・・」
「あら、この車の向き逆だわ。車の向き変えるの面倒だし、帰るぅー」
「ばかやらうめ」