丁度角に当たってるの
2013年7月28日日曜日
「恋人と別れて涙止まらないんだよ」
「ある、ある」
「もう、あの子以上の女性には会えない」
「ある、ある」
「俺はこれからどうやって生きていけばいいんだ?」
「他の女性をもっと知ればいいだけサ!」
「そんな事できないよ。思い出がいっぱいで」
「どういう?」
「そういえば、ありきたりな・・・ なんにもないかもしれない」
「じゃあ、他の子で忘れればいいじゃないか」
「そんなに簡単に言うけども」
「わかろうとしないからわからないんだよ。他の子を」
「どうして?」
「勝手に自分で可能性の扉を閉じたからだ」
「可能性の扉?」
「他の子だって可能性があるのに、思い出だか、なんだか、与えたのに拒絶された想いとかで、勝手に扉を閉じてしまっているだけだ」
「わけわかんねえし」
「可能性の扉を勝手に閉じるなって事さ」
「可能性の扉?」
「勝手に断念するな、だ」
「そこまで薄情になれない」
「薄情とか、そういう問題じゃないんだよ」
「それじゃ、なに?」
「その当時、自分にも相手の子にも、わけわかんねえ推測で、自己防衛反応ってもんが働いたわけだろ? 思い当たるフシがあるはずだ」
「なんでそこまでわかるんだ?」
「絵本で知りました。それも、ぐりとぐら」
「あほじゃーん」