丁度角に当たってるの

2013年7月05日金曜日

「お父さん」
「どうしたんだい?」
「お母さんが、買い物に行ってからまだ帰ってこないの」
「今何時だい?」
「22時」
「それはおかしい」
「でしょ?」
「あんなものとセックスしようとする奴は相当な阿呆に違いない」
「浮気するわけないでしょ!」
「電話の一本も無いなんてなあ・・・」
「でしょ?」
「携帯電話とか持ってないの?」
「もったいないし、わからないから持たないんだって」
「母さん、バカだったっけ」
「お父さんだってひとの事言えないでしょ」
「そんな事はないよ。お父さんだって携帯カメラで盗撮くらいできるぞ」
「するな」
「はい」
「誰かのお家にいるにしても、おそいわよ」
「そうだなあ・・・ 電話の一本くらい入れられないなんて、娘に示しがつかないだろ」
「ね? でしょ? ウチの門限23時しない?」
「それはダメ」
「とっくに膜破けてるよ?」
「それでもダメ」
「分け前あげるし」
「は?」
「いえ、なんでもありません」
「それにしても、おそいなあ、母さんは」
「ね? でしょ?」
「ああ」
「まさか、事故にでもあったんじゃ・・・」
「身分証明書とか持ってるだろうし、連絡あるだろうよ」
「でも・・・ 心配・・・」
「いや、母さんの事だ、きっと漬物石を頭の上に乗せて坐禅を組んで屁をたれて通行人からお金もらうパフォーマンスとかしてるんじゃない?」
「お母さん、そんな事しない」
「それは十分知っている」
「おそいわねえ・・・」
「おそいなあ・・・」
「ひょっとして、ウチがわかんないんじゃない?」
「どうして?」
「だって、ここ山本さんちだもの」
「わしらが間違えてるじゃーん」
「わっちらバカ親子じゃーん」
「恥ずかしくって穴にでも入りたいから、そこ開きなさい」
「って、バカオヤジ」