ほだすほだべすほだべっちゃ
2010年7月13日金曜日
「ただいまー」
「おかえり。今すぐ準備してね」
「どうしたの?」
「この暑いさなかに、お父さんの方のお婆ちゃんが死んじゃったから、これから出かけてお通夜だから、今すぐ準備して」
「え? 急に言われても・・・ 学校に連絡しなきゃ」
「明日すればいいでしょ。携帯電話あるんだし」
「そうだけど、急に・・・ 汗かいたのに、風呂にも入ってないし」
「パンツにうんこがこびりついてても、仕方ないでしょ!」
「ついてるとは一言も言ってないし!」
「とりあえず、お父さんが帰ってきたら出発ね」
「わかるけど、晩御飯は?」
「駅弁になるかもしれないけど、向こうになにか用意してるわよ、きっと」
「そうなの?」
「それから、そう、そう・・・」
「なに?」
「机の引き出しにエロDVDが入ってたけど、あれ持って行っちゃダメよ」
「持ってかないって! そして、俺の机の中を見るなっての!」
「それから、制服持って行きなさいよ」
「ああ・・・ 葬式で着るとかでしょ。もちろん、持ってく」
「アタシもセーラー服持って行かなきゃ」
「なんでじゃい」
「それから、お通夜と葬式の最中に、お姑さんにいびられたからって、ほくそ笑んじゃだめよ」
「それはそっちでしょ!」
「あら、いやだ、あたし・・・」
「どうしたの?」
「笑いが止まらない・・・」
「この、バカタレ!」