みそパン久美子

2010年7月27日水曜日

「この炎天下にハイキングに来て、すごく汗かいたし、説明セリフも言い終えたし、ランチにしましょ」
「ランチって言い方やめてくれよ」
「おーら、メシにすんべえやな」
「いや、お弁当にしましょうとか、そういうフツーの言い方できる?」
「じゃあ、お弁当にしましょうよ」
「いいねえ。で、なに作ってきたの?」
「刺身」
「ひっ・・・」
「もちろん、いちご。弁当のいちごね」
「ああっ! ああっ! なんたる!」
「あれ? いちご好きじゃなかった?」
「頼むから、いい加減、お弁当のいちごがどういうものかだけは理解してくれ」
「そして、炎天下の中でサッパリしたいものが食べたいだろうなあ・・・ って思って、冷奴」
「ひっ・・・ 保冷剤とか、氷とかは・・・」
「用意してこなかったけど?」
「げっ・・・」
「あら、大丈夫よ、これだけの炎天下だから、火が通ったように・・・」
「なるかい! バカモノ! 一生懸命生ごみ運んできたのと一緒じゃんよ!」
「うそ! じゃあ、ちょっとフタ開けて・・・ ウッ! と、言った後喀血して倒れる、バタリ」
「説明セリフよしなさい」
「はい」
「なにか他に食べるものないの?」
「炎天下だから、塩キャンディ買ってきたの」
「それだけ?」
「うん、それだけ。あと、飲み物」
「なに? 飲み物って」
「炎天下だから、塩分がいいって、めんつゆ」
「萩本欽一の24時間テレビのマラソンのドリンクじゃああんめえし、炎天下にめんつゆゴクゴク飲めってのか?」
「冗談よ、冗談」
「ならいいや。で、なに?」
「きちんと水筒にビールを入れて・・・」
「この、ばきゃもーん!」