みそパン久美子
2010年7月07日木曜日
「お父さん」
「なんだい?」
「七夕だから、短冊に願い事書いたんだよ」
「へえー」
「羽鳥じゃないんだから、へぇーは無し」
「へぇー」
「”なに書いたの?”でしょ? 親がここで言うセリフは!」
「へぇー」
「それでも、親なの?」
「もちろん、親だ。あの夜の事は忘れてしまったが」
「余計な事は子の前で言わんでよろしい」
「はいな」
「”何書いたの?”でしょ? お父さん」
「何書いたの?」
「ウーン・・・ ナイショ」
「お母さんに息子を殴っていいか聞いてくる」
「ヤメテ! お父さん」
「わかった。なに書いたの?」
「願い事は、お小遣いがあがりますように、って」
「上がるといいねえ」
「いや、上げのはあなた」
「いや、星にお願いしてるんだから、俺は関係ない」
「それじゃ、お母さんに説得してくれる?」
「それはできない」
「どうして?」
「俺の分が減る」
「実は、ロンドンブーツの化粧の濃い、化粧を取ると不細工な、恋愛うっとりバカの方をまねして化粧しようかと思うんだよ」
「それは面白くないし、気持ち悪いからやめなさい」
「おこずかい上げて!」
「そんな気持ち悪くて面白くもないのに評価されて自惚れるような子になったら大変だから、お母さんを説得するか・・・」
「よかった・・・」
「でも、そんなおこずかい、どうするの?」
「うん、吉原で女郎を買う」
「ばかやらう」