おっぺけ喜三郎

2011年10月11日火曜日

「す、すいません、救急車呼んでください」

バタッ

「ああ! お爺さん、大丈夫ですか? いきなり倒れちゃったよ、どうしよう?」
「救急車を・・・」

ガクッ

「ああ! おじいちゃーん! おじいちゃーん! おい、おじいちゃん死んじゃったよぉおお!」
「まだ生きてます。救急車呼んでください」
「ごめん。今日携帯忘れてきたから、公衆電話探さないとならないんです」
「誰か呼んで下さい」
「バロムワーン!」
「そんなもん呼んでどうする、このバカタレ」
「おじいちゃん、元気じゃないですか」
「元気じゃないの! バロムワンなんか来ないだろ!」
「”必ず来るぞ、バロムワン”って水木一郎が泣きそうな声で歌ってたのを急に思い出して」
「そんなもん呼ぶな」
「はい」
「それじゃ、応急処置はできますか?」
「そういえば、この前学校でやったなあ・・・」
「じゃあ、お願いします」
「おじいちゃん、なんの病気ですか?」
「イボ痔です。クチで吸ってください」
「馬鹿野郎」