はみげの一歩

2010年8月28日土曜日

「ただいま〜」
「あなた! なによ! そのクチ!」
「なんかついてる?」
「おもいっきり口紅ついてるじゃない!」
「実は、今まで黙っていたが、女装癖があるんだよ」
「うそつき! そんなズレた口紅のつけ方あるわけないじゃない!」
「え? ちょっと鏡見てくるよ」
「待ちなさい!」
「え? なにか?」
「証拠隠滅させないわよ! ここで全部脱ぎなさい!」
「え? ここで?」
「できない理由でもあるの?」
「いや、ないけどさ・・・」
「そんな口紅ベッタリ口につけたまま電車乗って帰ってくるくらいだから、絶対になんかある!」
「なんかジロジロ見られるから、変だな〜って思ったら、口紅ついていたんだねえ・・・ いつついたんだろ・・・」
「モロにキスしましたって口紅をね!」
「違う! 違う! 誤解だって! 誤解!」
「いいから、全部脱ぎなさい!」
「わかった」
「その上着、それ」
「これ?」
「こっちに」
「はい」
「なに? これ?」
「ハンカチ」
「二枚も持ち歩くの?」
「夏だから、汗かくし」
「この明らかに女性物のハンカチ、見た事ないし!」
「コンビニにそれしかなかったの!」
「それから、そのズボン」
「これ?」
「こっちに」
「はい」
「これは、なんにも入ってないわね・・・」
「そうだよ。当然」
「じゃあ、パンツ」
「え? パンツ?」
「こっちに」
「脱ぐの?」
「脱ぎなさい!」
「しょうがない・・・」
「って! なに? そのゴム!」
「ああ! なんかションベンしにくいと思ったら、ポコチンにゴムつけたままだった・・・」
「って、ゴムがそこまで膨らみながらも、なぜ気が付かないの?」
「気が付かなかったんだよ」
「浮気以前の問題として、別れましょ」
「仕方ない・・・」