はみげの一歩
2010年8月12日木曜日
「ねえ、プール行こうよ」
「ダメだ。お父さんの海水パンツないんだよ」
「途中で買おうよ」
「お父さん、泳げないんだよ」
「僕が泳ぐから、お父さん見てればいいでしょ」
「なにを」
「いや、僕が泳いでいるのを」
「それでなにがうれしいんだ?」
「ああ、ウチのかわいい子が楽しくはしゃいでいるなあ・・・ と」
「お前、かわいいのか?」
「そうだよ」
「今まで、ずーっと心の奥にしまっていた事なんだけども・・・」
「かわいくないって言いたいの?」
「いいや。ちっとも俺に似てないんだよ」
「お父さんにそっくりだっていつも言われるよ?」
「お母さんとお母さんの方の親戚が、だろ?」
「夏休みに子供を暗い気分にさせる気かい?」
「それに、プールって言ったって、中年太りのおっかさんとかばっかりだろ」
「若い子も来てるよ?」
「どれくらいの?」
「女子高生くらいかな・・・」
「そうなの?」
「そこで目をキラキラ輝かせるんじゃないの!」
「スクール水着なわけ?」
「それ以上の質問にはお母さんを通さないと答えられません」
「わかりました」