はみげの一歩

2010年8月07日土曜日

「おい、どうしたんだ! 電話もメールもなしに、一体どこ行ってた!」
「友達と買い物」
「なんだ! その言い方。お前、友達って女か?」
「うるさいわね! あんた、アタシのお父さんでもないのに、一々詮索しないでよ!」
「その、お父さんなんだよ!」
「ええっ! 気が付かなかった!」
「あれは1歳の誕生日の日だった・・・」
「ま、まさか! こ、こげな事が!」
「その、そげな事だったんだよ・・・」
「う、うそ! アタシは信じないんだから!」
「それなら、お母さんに聞いてごらん」
「ええっ! ショック!」
「お母さんは、きっと、こう答えるだろう」
「ゴクリ・・・」
「この、バカタレ」
「うん」
「そして、こう、続ける」
「なに?」
「そんな人と別れなさい」
「それは、今考えてたところ」
「じゃあ、涙ボロボロ流して泣きます」
「どうぞ」
「はひ〜ん。えーん、えん、えん。えーん、えん、えん」
「な、なんて泣き方・・・ まるでウソ泣き・・・」
「実は、児童劇団にいたんだよ」
「キャー!」