たてわれ小三郎
2010年7月28日水曜日
「ほら、あそこのカップル」
「ああ、あれか?」
「あれは、”あなた、おクチあーん”をやってるところだよな。電車の中でよくもまあ・・・」
「こういう時に、電車って急停車しないんだよな」
「じゃあ、非常停止ボタン押してくるか?」
「押すんじゃない!」
「だよな」
「こう・・・ 急停車して、箸がのどに突き刺さるのを期待してるんだけども・・・ ねえ・・・」
「普通に乗ってても急停車する事がないからねえ・・・」
「しかし、駅弁ひとつで、あれほどまで盛り上がれるところがなんていうのか・・・」
「なんていうの?」
「なんだなあ・・・ と」
「なんだなあ・・・ って、なに?」
「そこは大人の空気感ってもので、行間を読むものだ」
「段落がわからん」
「もうええわい」
「どこかの婆さんが、ヨロッとこけて、ドンと当たりゃしないもんかねえ・・・」
「それで箸が突き刺さるかねえ・・・」
「それはわからんけどもねえ・・・」
「割り箸だから、喉に突き刺さるってのはないと思うんだよ」
「そうだろうねえ・・・」
「じゃあ、嫌がらせにすかしっ屁でもするか」
すー
「なんか、ものすごく、臭い」
「って、お前が言うから、誰がたれたかまるわかりだ」
「聞こえてたらまずいな」
「そして、ちょっと具が出た」
「ひー!」