たてわれ小三郎

2010年7月12日月曜日

「なんか超ドキドキなんです」
「なんか緊張してるねえ」
「ええ・・・」
「これから告白しなきゃならないんです」
「夏も近いし・・・ ね?」
「ええ・・・」
「練習してみたら? リハーサルみたいな・・・」
「え? でも、恥ずかしい・・・」
「そう・・・」
「でも、本番で緊張したらヤダから練習」
「やってみる?」
「うん」
「どうぞ」
「急にどうぞって・・・」
「あー・・・ どういえばいいのかなあ・・・」
「じゃあ、せーの、で」
「じゃあ、せーの」
「実は、昨日、おばあちゃんがブツブツ文句たれながら仏壇に語りかけているシーンに遭遇して、恥ずかしいところを見られたバアちゃんがテレ隠しに激怒して、で、お前、仏壇のまんじゅう食っただろって言いがかりつけてきて」
「は?」
「そもそも仏壇にまんじゅうそなえるようなババァじゃねえのな。だっつーのに、まんじゅう食っただろとかぬかしやがっから、カァッとなって、ババァの薬にシンナー混ぜてやったわけ」
「う・・・」
「そしたら、なんかバアちゃん動かないんだ。今日一日寝てるの」
「な、なんちゅう悪い事を・・・」
「で、これをウチのワンころに相談しようと思って」
「それは的はずれだって!」