たてわれ小三郎

2010年7月04日日曜日

「ねえ! ねえ! 見て! 見て! 昨日、家族でデパートに行ったときにお母さんに買ってもらったの!」
「まあ、いいわねえ、房代ちゃん」
「なんでえ! こんなもの! こんなもの!」
「ああ! なんてことするの! 踏んじゃイヤ!」
「こんなもの! こんなもの!」
「ヤダ! やめて!」
「こら! シンスケ君、やめなさい!」
「だって、これ包装紙じゃんかよ!」
「びえ〜ん」
「こら。そんな事するから房代ちゃん、泣いてあっち行っちゃったじゃない。謝って来なさい」
「わかった・・・」

「ごめんな、房代」
「ひっく、ひっく」
「泣くなって」
「お前も一杯やるか?」
「さ、酒だったとは!」
「そう、その、まさかが、俺だ」
「お、男だったのか!」
「実は今まで黙っていたが、上手く変装した40代のおとっつぁんだったんだよ。子供パンツはくのしんどかったんだ。キンタマはみ出るし」
「キャー!」
「冗談よ、冗談」
「ふう、ビックリした」
「見てわからんか?」
「わからん」
「やっぱり、泣く。びえ〜ん」