馬車にしないでよ

2009年9月29日火曜日

「先生」
「どうしました?」
「頭突きを20回くらい連続でしてたら、なんか耳がポコポコ鳴るんですよ」
「それは検査しなくちゃいけませんね」
「CTスキャンとかMRIとかですか?」
「ににんが?」
「ににんが?」
「九九」
「九九ですか」
「ににんが?」
「ハットリ君」
「ご名答」
「やった!」
「それじゃ、もう少し頭突きしてもらえますか?」
「え? ええ。いいですけど・・・」
「そうだなあ・・・・・・
この机なんかどう?」
「ええ」



「どうです?」
「痛い」
「痛いじゃなくて、耳」
「あ・・・ 耳?」
「じゃあ、もう一回」



「どうです?」
「まあ、角じゃないですから」
「耳は?」
「耳?」
「じゃあ、今度は角で」



「どうです?」
「やっぱり、角は痛いですねえ」
「耳は?」
「聞こえてますけど」
「ポコポコ鳴りますか?」
「ポコポコ?」
「じゃあ、もう一回」



「ああ・・・ ちょっと切れましたか・・・」
「切れたんですか・・・」
「痛みは?」
「あります」
「耳は?」
「ありますね、触ったところ」
「じゃあ、もう一回」
「なにを?」
「頭突きを」
「ええ。いいですよ。これでも、頭突きが自慢なんですよ」



「どうです?」
「なにがですか?」
「耳は?」
「耳?」
「ポコポコ鳴りますか?」
「鳴りません」
「それなら大丈夫です」
「そうですか」
「その前に、机の血を拭いてってください」
「ええ」