馬車にしないでよ

2009年9月10日木曜日

「ちょっといいか?」
「ああ、いいけど?」
「おい、声が大きい」
「なんだよ」
「実は、南米からナイショで仕入れたものがあるんだよ」
「ええ? こののりピーとか、押尾とかで警戒が厳しい時に?」
「そうだ」
「ヤバくないの?」
「そういう危険をかいくぐって、この葉っぱを手に入れたわけだ」
「ああ・・・ なんか本格的だな・・・」
「だろ?」
「それって、やっぱり、癖になったりするの?」
「ああ。結構、癖になるね」
「いい気分になる?」
「なる、なる」
「高くなかった?」
「南米から日本まで運んだから、そりゃあ、そりゃああ、思ったよりも高くついた」
「お前、すごい奴なんだなあ・・・」
「そう思うか?」
「思う」
「使ってみる?」
「ちょっと迷うなあ・・・」
「大丈夫だって」
「大丈夫なの?」
「ああ」
「本当に?」
「ちょっとだけなら大丈夫だ」
「じゃあ・・・ ちょっとだけね」
「ちょっとだけ、な」
「その前に、俺が意識をなくしたり、妙な行動しようとしたら、キチンと止めてくれよな」
「ああ。わかってる」
「約束だぞ?」
「ああ。約束してやるって」
「本当にな?」
「ああ、ああ、わかったっての」
「それじゃあ、始めて」
「ああ」
「その葉っぱをどうするの?」
「これでお茶を入れる」
「お茶?」
「そうだ」
「そんな方法もあったのか」
「ああ。こうやって、葉っぱの中の成分を漢方薬のように抽出するわけだ」
「へえ」


「さあ、できた」
「どれどれ?」
「マテ茶」
「なんじゃそりは」
「マテ茶」
「マテ茶?」
「お茶」
「お茶?」
「トリップするの?」
「トリップして、ここまで来た」
「なに?」
「お茶が」
「トリップ?」
「そうだ」
「なんかあるの?」
「滋養強壮、栄養たっぷり」
「それだけ?」
「他になにがある?」
「いや、とても気分がよくなるとか、そういうの」
「気分はよくなるよ」
「やった! ホントに?」
「ああ」
「じゃあ、飲む」

ごくり

「なんかわからないけども・・・ なんかホカホカしてきた・・・」
「そう、そう」
「あれ? なんか幸せな気分だ」
「飲むサラダって言われているからなあ」
「あれ? あれ? なんか虫が・・・」
「どこに?」
「ああっ! 体中を虫が!」
「どこに?」
「どこにって・・・」
「いないでしょ」
「たしかにいないんだけども」
「どうしたの?」
「そういう効果はないの?」
「なにが」
「幻覚とか、そういう」
「あるわけないでしょ」
「あら・・・」