餅すすり75
2009年7月30日木曜日
「そうか・・・ ここがあの自由が丘かあ・・・」
「そうよ、ここが自由が丘よっ」
「気取っているけども、狭いよな。箱庭偽ヨーロッパ趣味」
ビシッ
「もういっぺん言ってごらん。ビンタが飛ぶわよ」
「ごめんなさい」
「よろしい」
「・・・」
「まあ! 素敵な町並み」
「そ、そうだね・・・」
「素敵でしょ?」
「その、刺すような目線・・・」
「そうでしょ?」
「はい」
「わかればよろしい」
「俺、腹減ったなあ・・・」
「まあ、あんなところに、素敵な雑貨屋さん」
「ガラクタしかねえよな。あんなもん飾っても尚更バカになるだけじゃんかよ。無駄無駄」
ドカッ
「うっ・・・」
「次は、キンタマ蹴るわよ」
「キンタマって・・・」
「それは、空耳」
「ねえ? あそこのシミーズ、おしゃれ」
「あれはキャミソールだろよ」
ごっ・・・
「ま、まさかの頭突きが・・・」
「素敵なキャミソールよね」
「今、シミーズって・・・」
「もう一発欲しい?」
「いえ、シミーズとは一言も言っていない、いない」
「そうでしょ?」
「あら、あそこのおしゃれなカフェでおしるこでも・・・」
「ねえって!」
「なん?」
「その、胸倉の手!」
「ん? なん?」
「いいえ・・・」
「もう一度。あそこのおしゃれなカフェでお茶しない?」
「ちょっと待って・・・ 鼻血拭くから」
「もう一度! あそこのおしゃれなカフェでお茶しない?」
「その前に、俺は逃げる! きゃー」
「あ、悲鳴上げて逃げやがった・・・」