餅すすり75
2009年7月20日月曜日
「砂浜でヘッドスライディングするバカっているよな」
「それは嫌味か?」
「いや」
「今、やったばかりだろ」
「ごめん・・・ 気が付かなかった」
「いや、目の前でやっただろ」
「気が付かなかったよ」
「そうか・・・」
「悪気はないんだよ」
「それならいいけども」
「それより、海を見ろよ」
「ああ・・・ 広いよな・・・」
「ああ・・・」
「いいなあ・・・」
「よくいるんだよな、海を見てすぐに心が広くなるバカが」
「なに?」
「よくいない? 海を見て心が広くなるバカ」
「お前、俺に喧嘩売ってないか?」
「どうして?」
「俺が、今、いいなあ・・・ って言ったばかりだろ」
「ごめん・・・ 気が付かなかった」
「いや、だから、目の前だろ?」
「そうだっけ?」
「隣にいるだろ」
「気が付かなかった・・・」
「そうか・・・」
「悪気はないんだよ」
「それならいいけども」
「ほら、向こうの方に若い女」
「あ、本当だ」
「丁度二人いるぞ」
「口説いて来ようか?」
「よくいるんだよな。海に行くと自分の顔が鏡にどう映るのか忘れて、急に気が大きくなるのって」
「お前、俺に喧嘩売ってるだろ? やっぱり」
「違う! 違う! お前は不細工じゃないだろ?」
「そうか?」
「そうだよ」
「じゃあ、一人で行ってくる」
「よし」
「おもっきりふられた」
「そりゃそうだ」
「なに?」
「いや、なんでもない」
「そうか?」
「そうだよ」
「そうか・・・」
「あれは、どう見ても50代だった」
「気が付かなかった・・・」
「じゃあ、コーラの栓を肛門でしっこ抜きに行ってくらぁ」
「ああ」