後家さん金箔シヨウ

2005年11月11日金曜日

「先生!」
「どうしました?」
「う、うちの子が」
「あ、吃音ですね?」
「そんなことじゃないでしょ! 私じゃなくて、うちの子!」
「ああ、お子さんね」
「うちの子が、飴と間違って、ボタンを飲み込んじゃったんです」
「はあ、知恵遅れのことですね・・・」
「そうじゃないでしょ!」
「でも、その子はアホでしょ」
「アホじゃないです!」
「いや、この時分、飴とボタンの区別のつかん子はいないですって」
「失礼ね!」
「おいくつですか?」
「一個です」
「お母さんもアホですか?」
「なんて失礼な!」
「年令は?」
「あ、そっちですか・・・ 最初からそう言って下さい! 12才です」
「やっぱりアホです」
「先生、アホはないでしょ、アホは」
「12才で飴とボタンの違いがわからなけりゃ、相当アホですって」
「そんなことより、先生、早く見て下さい。なんかのどに詰まって、ひゅーひゅー言っているんですよ」
「ミニスカの女子高生でも見たんでしょ」
「あんたじゃない!」
「なんでわかったの?」
「やりそうだから」
「はい」
「先生、それより、早く見て下さい。あまりにも苦しそうで・・・」
「ははあ、これは、ボタンを飲み込みましたね?」
「だから、そうだって言っているんでしょ!」
「いや、やっぱり、自分で確認しなきゃ」
「そうかもしれないけれど・・・」
「うーん・・・」
「どうしました?」
「手遅れですね」
「手遅れですって?」
「飲む前に言ってくれりゃ・・・」
「言えるわけないでしょ!」
「だよね? だよね? だと思ったのりーん」
「先生、ふざけないでください」
「いや、いや」
「しかも、りーんって」
「・・・」
「って」
「・・・」
「って」
「・・・」
「って」
「・・・」
「顏赤らめてる場合か!」
「いや、ちょっと赤面」
「そんなことより、うちの子を早く見て下さい」
「はい」
「どうなんです?」
「ははあ、これは、死んでますねえ」
「え、えええ!」
「このボタン、死んでますね」
「どこの世界に、生きているボタンがあんだよ! このヤブ医者!」
「いや、生きてたら大変かな・・・ と」
「んなアホな」
「ちょっと、ちょっぴりと」
「そんなことよりも、早く取ってくださいよ! なんかひゅーひゅー、ひゅーひゅー鳴っていて、笛ラムネみたいでかわいそうじゃないですか」
「あれ?」
「いや、あれって・・・」
「とって欲しかったの?」
「当たりまえでしょ!」
「じゃあ、アナルからポン」
「アナルから息を吹きこむとは!」
「ほら、取れた」
「ひ、ひいいい!」
「お母さん、僕、助かったの?」
「そうよ!
って!
そんなわけないでございましょうでありんすよ」
「はい、ここコケるところ」

ぶぱぱ、ぶぱぱ、ぶぱぱ、ぶぱ、ぱー