パイゲーニャ・ワシミロフ

2004年01月12日月曜日

「この角を曲がると、例のラーメン屋だ」
「あれ? 行列ないじゃん」
「ホントだ」
「これってラッキー?」
「かもな」
「って! この時間帯休みらしいぜ?」
「ホントだ。17時からって書いてある」
「なんだよ、それで誰もいないのか・・・」
「ちぇ」
「”ちぇ”とはなんだ!」
「あ、あなたは!」
「おい、おい。この白い服見てわからないか?」
「ひょっとして、店のオヤジ?」
「お前のような息子を持った覚えは無い!」
「いや、そういうことじゃなしに」
「じゃあ、一体なんなんだ! 馴れ馴れしい」
「す、すいません」
「孝雄って呼んでっ! うふっ!」
「げげ!」
「ところで、今開いていないんですか?」
「そうだよ」
「五時まで?」
「いや、五時になっても開く保証はない」
「え?」
「あ! 幻の味という・・・」
「シャラップ!」
「なぜ英語!」
「いや、ハンガリー語」
「うそつけ!」
「どうして五時になっても開かないことがあるんです?」
「なあんでか・・・」
「・・・」
「なあんでか・・・」
「・・・」
「なあんでか・・・」
「・・・」
「なあ・・・」
「いや、早いとこ先行って下さい。携帯で読めない字数になるでしょ」
「はい。
それはネッ!」
「お、急に軽いトーンに!」
「スープ失敗しちゃったのー」
「ぎゃふん」