大村孝之

2004年7月29日木曜日

「今日、お父さんとお母さん出かけているの・・・」
「ええっ! ・・・ゴクリ・・・」
「今日、ウチに誰もいないんだ・・・」
「へえ、そうなんだんだんだ・・・」
「なに緊張しているの?」
「いや、緊張、緊張なんか、緊張なんかしていないよ、いないよ」
「今日、ウチに来ない?」
「え?」
「今日、ウチに来ない?」
「あ、ああ、うん、うん」
「「来ないんだ・・・」
「いいや! いいや! 行く! 行く! 絶対行く! 死んでも行く!」
「じゃあ、死ね! フッ!」
「あ! ふ、吹き矢か!」
「ふははははははははは!」
「く、くそぉー」
「お前の命ももうすぐだ」
「し、しまったぁ!」
「うん」
「や、やられたぁ」
「・・・」
「あ、うわぁああああああ」
「・・・」
「ああああああ!」
「・・・」
「うぎゃああああ」
「・・・」
「って! なに待ってんだよ!」
「いや、なんか毒が効いていないなって・・・」
「なに塗ったの?」
「山田養蜂の完熟はちみつ」
「え? な、なにぃ?」
「山田養蜂の完熟はちみつ」
「う、うわああああああああああ!」
「山田養蜂の完熟はちみつ」
「ああああああ!」
「どうして!」
「うあああああああ!」
「な、なぜ!」
「ああああああああ!」
「は、はちみつなのに!」
「ああああああああ!」
「わ、わからない・・・」
「って! そんなもん効くかい!」
「うわああああああ!」
「こっちも負けじと、ああああああ!」
「おのれ! こっちだって、うわああああああ!」
「あああああああ!」
「あああああああ!」

(二人の阿呆)