愛のもじゃもじゃ

2002年08月22日木曜日

欽ドン

「ねえ、ねえ、お父さん、お父さん」
「なんだい? 百恵」
「ねえ、お父さん、夏休みの宿題どうしよう?」
「どうしようって、まだやってなかったのかい?」
「ううん。やったことはやったんだけど、全部間違ってるの…」
「そのまま出しちゃえ」
「そういうわけにもいかないんじゃない?」
「ところで、どうして全部間違ってるってわかったの?」
「うっ…
百恵、逃走!」
「あ! 逃げた!」
「帰って来たでえー」
「あ! 帰って来た!」
「バックもできるでえー」
「あ! バックしてる!」
「ぱすん、ぱすん」
「なにそれ?」
「うぅ…
答えられない…
百恵、脱走!」
「こら! 待て!」
「待ちます」
「素直なよい子ぢゃ」
「パパぁん」
「どれどれ、なに買って欲しいんだい?」
「なにそれ?
あたしにはなんにも買ってくれないのに…」
「うっ!
いかん…
つい、"パパぁん"の"あん"に反応してしまった…」
「どういうことなの?」
「っていうか、自分も言いなれてるし」
「ま、そっか」
「あはははははははは」

朗らか家族であった。