たれ

2002年07月09日火曜日

「夏だよ、夏」
「そりゃそうだろ、夏なんだから」
「海に行きたいねえ、海」
「遠いぞぉ、きっと」
「そうだな、しんどいな。多分」
「だろ?」
「山行きたいな、山」
「死体でも埋めるのか?」
「馬鹿野郎。キャンプするとか、釣りするとかだなあ…」
「蚊がうじゃうじゃいるぜ?」
「そうだなあ…」
「それに、女の子いないぜ?
既にいる奴が行くんだぜ?」
「それじゃ意味がないよな、たしかに」
「だろ?」
「じゃあ。海外だ」
「そんなの、この暑い時期なんだから、なま物をその辺にほったらかしにしとけばいいだけだ」
「それは食あたりで出る”かいかい”だろ!」
「こんなボケしてみました」
「あいよ。
そんで、海外はどうなの?」
「パスポートがない。作るの面倒だし、金もない」
「じゃあ、やっぱ、街の喫茶店か…」
「だろ? やっぱ」
「ところで、今もノーパン喫茶ってあるのかな…」
「あるかもしれないねえ」
「カフェバーはあるのかな…」
「あったら、きっとすさまじいものが出て来そうだよな」
「どんなメニューだったか覚えていないんだけど…」
「カフェラテとかはなかったような気がする」
「うむ…」
「ドトール行くか」
「いや、あんた、それは…」
「それと、これじゃ一歩間違うと”ありtoきりぎりす”のような展開じゃないか?」
「いや、”かいかい”は出て来ないでしょ、やっぱ」
「それから、おすぎとピーコが杉浦兄弟だって話もやらないだろう」
「今始めて出て来た話なんだけど」
「そうだなあ… たしかに」
「そして、ネタがなくて、しかも暑くてダレてる時に、尚更暑苦しい話はやめようよ」
「たしかに。でも、杉浦だから、”おすぎ”なんだぜ?」
「知りたくないっての!」
「やっぱ、そうか…」
「ああ、暑いなあ… 自販機でコーラでも買おうっと。」
チャリン。ゴトッ。
「あ! なんだよ! あったかいコーヒー出て来たじゃんよ!」
「なんちゅう自販機だ、こりゃ」
「びーぼ? 知らない」
「俺も」
「まあ、いいや。
いる?」
「いらん」
「しょうがないから、気合いで飲む!」
「お、男だねえ」
「おうよ、こう見えてもリリアン編めるんだぜ?」
「すげえ!」
「それから、姉ちゃんの”りぼん”はきちんと読んでた」
「おう! すげえ!」
「それから、夏にはきちんと脇毛とスネ毛を剃っている」
「おう! すげえ!」
「なんてことするわけねえだろ!
俺はスマップじゃねえんだからスネ毛はそりゃしねえっての!」
「おう! すげえ!」
「いや… そんなに驚かれても…」
「それより、早くそれを飲めよ」
「まあ、待て。ちょっとふうふうするから。
ふう、ふう」
「缶だろ! それは!」
「やっぱ、わかる?」