あしげ

2002年10月25日金曜日

「インドに行ってきたんだけどさあ」
「へえ、すごいねえ」
「やっぱ、インドはすごいよ。なんか川に死体流れてたりするし。
なんか人生観変わっちゃって、悟り開いた感じ?」
「へえ、悟りねえ」
「そう、そう。
もう、世俗の事には動じない感じ?」
「へえ」
「はい、ラーメンお待ち」
「おい! 親父!
なんで俺のチャーシューメンの方が後なんだよ!
フツー、どこの店でも高いもんの方が先だぜ?」
「こら、こら、悟りは?」
「あ、そうだった」
「はい、チャーシューメンお待たせしましたよ!」
「なんだその言い方は!」
「こら、こら、怒らない、怒らない」
「そうだった」
「あれ?
お前、箸は?」
「いやあ、インド生活が長かったから、使い方忘れちゃったよ」
「二日で?」
「違う!
二泊三日だ!」
「そんなことでカリカリすんなよ」
「ああ」

「あ、あっち!
馬鹿野郎!
熱いじゃねえかよ!
やけどしたらどうすんの?
熱くて掴めないじゃなくて?
ごめんあそばせ」
「なに言ってんだか。
熱いの当たり前だろ」
「まあ、そうかな。
水でうめよう」
「あ、入れちゃった。まずそー」
「なあ、親父。ちょっとこのラーメン味薄いぞ?」
「当たり前でしょ!」